車の出費を減らしたいと思っても、通勤、送迎、買い物に使っているなら、手放すだけで生活が楽になるとは限りません。逆に、週末しか乗らない車でも、駐車場や税金などの費用は続きます。
判断の順番は、最初に移動の必要を整理し、次に年間費用を比べ、最後に車を使わない生活を小さく試すことです。「所有か、所有しないか」の二択だけでなく、2台を1台にする、遠出だけ借りるといった中間の案もあります。
先に押さえたい3点
- ガソリン代だけでなく、駐車場、税金、保険、車検・整備を年額でまとめる。
- 手放した後に必要な電車、タクシー、レンタカーなどの費用も入れる。
- 金額が安くても、必要な時間に移動できなければ代替にならない。
1.直近の移動を、目的別に書き出す
1〜2週間の移動を記録します。毎日の移動と月数回の移動、年に数回の遠出を分け、乗る人数、荷物、時間帯を残します。
| 使い方 | 比較したいこと |
|---|---|
| 通勤・通学 | 始業や終業時刻に合う公共交通があるか |
| 子どもや家族の送迎 | 雨の日、荷物、乗降場所、必要な座席 |
| 買い物 | 回数をまとめられるか、配達を使えるか |
| 通院 | 予約時間、付き添い、徒歩距離 |
| 休日の遠出 | 借りる場所、予約、返却時間、繁忙期 |
「月に何回乗ったか」だけでは、必要性は判断できません。月1回でも代わりのない移動があれば、その解決策を先に考えます。家族に送ってもらう案も、相手の時間と同意が必要です。
2.維持費を年間で集める
トヨタの維持費案内では、税金、保険、車検、メンテナンス、走行費用が挙げられています。[1] 税額や保険料を一般例のまま使うより、自分の請求書や契約から年額を出す方が、比較の土台になります。
| 分類 | 集める費用 |
|---|---|
| 毎月の固定費 | 駐車場、ローンなど |
| 年ごとの費用 | 税金、任意保険など |
| 数年ごとの費用 | 車検、タイヤ交換など |
| 使う量で変わる費用 | 燃料、有料道路、外出先の駐車場 |
| 突発的な費用 | 修理、事故時の自己負担など |
車検見積もりに税金や保険料が含まれている場合、別の欄にも足すと二重計上になります。内訳を見て、同じ費用を一度だけ入れます。税の種類や扱いは財務省の説明も参考にし、具体的な税額は自分の車と現在の制度で確認してください。[2]
2年ごとに12万円かかる費用は、比較用には年6万円へならせます。ただし、実際には支払月に12万円が必要です。「年平均の費用」と「手元に用意するお金」は分けておきます。
3.今後の費用と、買ったときの費用を分ける
すでに払った購入代金を、これからの支払いと混ぜると比較が難しくなります。今日から1年間の家計を比べたいなら、今後の維持費と支払いを並べます。買い替えを含めて数年間を比べるなら、購入・売却も含めた別の表にします。
ローンが残っている場合は、売れば残債がなくなるとは限りません。売却額、残債の精算方法、所有者名義、手続き費用を契約先に確認します。売却による入金は一度きりなので、毎年の節約額と分けて考えます。
長期比較で購入価格と売却額の差を費用に入れるなら、同じ購入分のローン元本をさらに足さないようにします。月々の資金繰りを見たいのか、所有の総費用を見たいのか、表の目的を先に決めましょう。
4.持たない場合も、移動費をゼロにしない
公共交通、タクシー、レンタカー、カーシェアは、必要な場面に合わせて組み合わせます。料金の比較では、時間料金だけでなく、距離料金、補償、免責、返却条件などを各サービスの現在の案内で確認します。
例えば、所有を続ける年間の運用費が36万円、持たない場合の追加交通費が年間18万円なら、差は18万円です。これは説明用の仮定で、ローン、売却額、買い替え費用は含めていません。
持たない案にタクシー代を月1万円追加すると、年12万円が増え、差は6万円になります。少しの条件変更で結果が変わるため、安い日だけの料金や晴天時だけの移動で結論を出さない方がよいでしょう。
5.料金表の次に、実際に使えるかを確認
家の近くに車両があっても、使いたい時間に予約できるとは限りません。チャイルドシート、荷物、ペット同乗などの条件も、普段の使い方と照合します。
| 確認項目 | 試したいこと |
|---|---|
| 予約 | 普段使う曜日・時間帯の空き状況 |
| 移動 | 家から貸出場所までの往復時間 |
| 利用条件 | 同乗者、荷物、必要装備への対応 |
| 返却 | 遅延、給油、営業時間などの扱い |
| 困ったとき | 車がない場合の別の移動手段 |
「一番安い方法」ではなく、「予定が変わっても生活が回る組合せ」を作ることが目的です。送迎や通院が多い家庭なら、車を残して別の固定費を見直す結論でも構いません。
6.手放す前に、車を使わない日を試す
すぐに売却せず、実際に車を使わない日を設け、代替手段の費用と時間を記録します。雨の日、荷物が多い日、休日も含めて確かめると、机上の計算との差が分かります。
2台ある家庭なら、まず1台分の役割を整理する方法もあります。買い替え時期が近いなら、新しい車を契約する前に代替手段を試す方が選択肢を残せます。
試した結果、所有継続が合うと分かれば、駐車場、保険の条件、買い替え周期などを個別に確認します。必要な補償や整備を削って帳尻を合わせるのではなく、使い方に合わない契約や重複を探します。
まず今日やること
年間の駐車場代、保険料、税金、車検・整備費を一度まとめ、直近の移動を記録しましょう。次に、車がないと困る移動を一つ選び、代わりの方法を実際に試します。
車を持つ価値は、費用だけでなく、時間、荷物、家族の動きやすさにもあります。家計と生活の両方が回るかを確かめてから、持ち続ける・減らす・必要なときに借りるを選びましょう。
出典・確認日
確認日:2026年11月3日。金額例は仮定です。税率・保険料・サービス料金の固定値は掲載していません。
1. トヨタ「中古車購入ガイド:維持費」 https://toyota.jp/ucar/support/buyingguide/09.html (費用区分を参照。掲載の過去年次の税額例は不採用)
2. 財務省「自動車にはどういう税金がかかるのですか?」 https://www.mof.go.jp/tax_information/qanda012.html